不動産の売却を検討している場合は、ご所有の不動産がどのように査定されるかを知っておきましょう。
査定方法を知ることで、不動産会社から提示される査定額の理解が深まるものです。
不動産の査定方法は、次の3つに大別されます。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
1.取引事例比較法
取引事例比較法とは、対象不動産と条件が似ている物件が成約に至った取引事例を参考にして価格を決める方法です。
- 同じマンション内の別の部屋
- 別のマンションながらも駅からの距離や築年帯が類似している物件
- 同じエリアで接道条件等も酷似している土地
たとえば、上記のような物件の取引価格から平米単価を割り出し、査定額を算出する際の参考にします。
主に取引事例比較法で査定される物件種別
- マンション
- 土地
2.原価法
原価法は、対象不動産を再建築する際にかかる費用を元に価格を決める方法です。査定時には、築年数も考慮されます。
築年数による減価は、木造住宅であれば概ね築10年で半分、築20年でゼロになるのが一般的です。
たとえば「再建築に2,000万円」かつ「築10年」であれば「1,000万円」が査定額の目安となります。
主に原価法で査定される物件種別
- 戸建の建物部分
3.収益還元法
収益還元法は、対象不動産が持つ将来的な収益性から価値を算出する方法です。
次の2つに大別されます。
(1)直接還元法
直接還元法は、1年間の純収益を還元利回りで割って算出する方法です。
たとえば「1年間の純利益が100万円」、還元される利回りが5%だとすれば「100万÷5%」となり、査定額は2,000万円となります。
(2)DCF法
一方、DCF法は、純利益や還元利回りのみならず、投資終了後に売却したときの価格を予測して査定額を算出する方法です。
主に収益還元法で査定される物件種別
- 投資物件
査定額が不動産会社によって違う理由は?
不動産の査定額は、ここまでお伝えした方法だけで算出されるわけではありません。
3つの査定方法は、基本となる考え方。たとえば、原価法で査定される場合においても、リフォーム履歴や使用状況の良さをどれだけ査定額に反映させるかは、担当者の見立て次第です。
また、不動産市況は日々、変わっていくものです。「1年前に同じマンションの別の部屋がこの価格で取引された」からといって、ご所有のマンションが同様の価格で成約するとは限りません。
査定力=売却力
そもそも「査定額=売れる金額」ではありません。査定とは、売却金額の“推測”です。
この推測が誤っていれば「長期間売れない」あるいは「もっと高く売れるはずだったのに」ということにもなってしまいかねません。
高額売却や早期売却は、適正な査定があってこそ。豊富な実績と高い専門性による高精度な査定を希望される方は、お気軽に弊社までご相談ください。